ウーデゴー、オヤルサバル、メリーノ、スベルディア・・・。若手有望株を多数そろえてリーガで上位につけているのがアルグアシル率いるソシエダだ。本記事では彼らの特徴的な4-3-3戦術について紹介する。
※アルグアシル・ソシエダの基本情報と戦術概要はフットボール批評3月号別冊 【フットボール『戦術』批評】 に寄稿させていただいております。誌面をご覧いただけるとレアル・ソシエダの戦術を理解できるかと思いますので、ぜひご覧ください!
本記事では誌面で書ききれなかった戦術詳細を公式動画付きで紹介します。
特徴
・キーマンとなるウーデゴーとオヤルサバル
・ウーデゴーを中心に変形するシステム
・4-4-1-1守備システム
ウーデゴーを中心に変形するシステム
ソシエダはウーデゴーの動きをトリガーにポジション移動をして攻撃を行う。
右IHのウーデゴーは、右のハーフスペースを降りる、もしくはワイドに開くことでパス回しの起点となる。特徴的なのは後者だ。
ウーデゴーがワイドに開く際、周囲の味方も連動する。特にポイントとなるのが右WGのポルトゥと左WGのオヤルサバルだ。
ポルトゥは、ウーデゴーと被らないよう内側に絞りつつ、終始裏を狙うプレーを見せる。彼の動きにSBがついて行けばウーデゴーは空間・時間の両面で余裕を持てる状態となり、SBがついてこなければそのまま背後でパスを受ける。もしくはCBを押し込んでDF-MFのライン間にスペースを創り出す。
オヤルサバルはトップ下の位置まで絞る。ウィリアン・ジョゼやポルトゥがDFラインを押し下げることで空く「ライン間」に入る。このエリアで、シンプルなプレーでチャンスメイクをすることができるのが彼の特徴だ。前の2人がDFを押し下げる縦の動きを見せるのに対し、オヤルサバルは横にスライドする。
以上のように、4-3-1-2とも言えるような配置に変化する。元々幅をとった4-3-3から4-3-1-2へと変化するため、敵としてはマークの受け渡しが難しく、捉えにくい。
変化のつけ方としては珍しいタイプである。
4-4-1-1守備システム
4-3-3のチームは守備時4-1-4-1に変化することが多いが、ソシエダは4-4-1-1のような形に変化する。右IHのウーデゴーが前に出て2列目の「1」を担当する形だ。
彼の役割は中盤手前のスペースのケアだ。「敵CHに主導権を握られ、味方のCHが引きずり出されてライン間に入られる」という事態が起きないように敵CHに妨害をかけるのが彼の役目だ。彼が中盤手前に入る事でパスコースに制限がかかるため、ソシエダの中盤はある程度の距離をとってスライドする。スライド幅が減る分、WGがスピーディにサイドのケアへ向かうことができるため、ショートカウンターに繋がる可能性が高くなっている。
ハイライト
上記エッセンスが含まれる映像を選定。
vsエスパニョール
ウーデゴー→ポルトゥの関係性
守備時の配置
vsセビージャ
サイドでのボール奪取からのショートカウンター
ウーデゴー→ポルトゥの関係性
vsアトレティコ・マドリード
オヤルサバルのポジショニング
ポルトゥがDFラインを押し込み、ウーデゴーがライン間に入るパターン
vsベティス
ハーフスペースのウーデゴー、中に侵入するオヤルサバル
おわりに
ソシエダはウーデゴー、オヤルサバル、メリーノ等若い中盤の選手達を中心に丁寧にパスを繋いで前進していくチームだ。若手が中心となってはいるが、中堅やベテランが要所を補完することでチームとしての機能性を維持している。ビッククラブからの関心が噂される選手も多く、更なる成長が期待できる今後期待のチームである。
繰り返しとなりますが、アルグアシル・ソシエダの基本情報と戦術概要はフットボール批評3月号別冊 【フットボール『戦術』批評】 に寄稿させていただいております。そちらをご覧いただくことで本記事もより分かりやすくなるはずです。
ぜひご覧ください!