サッカーにおけるアンカーの役割・意識すべき9ヶ条

雑記

どうも。とんとんです。

TwitterのDMにて「○○(ポジション名)をやっているのですが、どう動いたら良いですか?」というような質問が、ありがたいことに山のように来ます。波長が合うのかたまたまなのか、ほとんどが中盤の方です。

正直、どう動いたら良いか、どういうプレーを選択すべきかについてはチームのスタイル、システム、敵味方の特徴、試合の状況にもよるので何とも言えません。

そんな中でも考え方の根本となり、どんな時でもよりどころとなるのが「概念」だと思います。

今回の話は全く概念ではありませんが、アンカーとしてプレーする際、具体的なところでどんな時も共通しそうな部分についていくつかザックリ挙げてみたいと思います。

恐らく、「首を振れ」は口酸っぱく言われるのではないかと思いますが、首を振って何を観て、どう判断するのかについても少し触れつつ。

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①両チームのシステムを把握

まずは両チームのシステムを把握します。自チームは試合前から分かっていますね。敵チームのシステムも把握することで、「敵のどのポジションの選手が、こちらのどの選手のマークにつくのか」になんとなく当たりをつけます。そうすると(自分も含めた)ホルダーに対してどの向きのプレッシャーがかかるのか、そしてスペースができそうなエリアがなんとなく分かります。

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②常に敵のFW-MFのライン間を意識

FW-MFのライン間に位置するアンカーは敵にとって非常に厄介です。FWが引くのか、MFが前に出るのかの2択を突き付けます。敵FWが引けば味方DFが余裕をもってボールを保持でき、敵MFが前進すればMF-DFのライン間にスペースができるため、前線の選手が楽になります。

つまりは前線の選手かDFの選手にスペースと時間を与えることができます。アンカーはこのようにチームに時間・空間的な余裕を与え、舵をとるポジションだと思っています。

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③2本目のパスの意識

上のバルセロナのアンカー、セルヒオ・ブスケツの動画を見てください。アンカーとして重要な要素がこれでもかと詰まった1プレーとなっています。

ここでまず取り上げるのは「2本目のパスの意識」。メッシにボールを預けたあとの彼の動きです。メッシからのパスをもらい直す動きではありませんね。ビダルからのレイオフを受けるための動きをしています。これが「2本目のパスの意識」(メッシ→ビダル→ブスケツ)です。

次の展開をイメージすることで、ビダルからのパスを受けるポジション取りができています。目先の現ボールホルダーからパスを受けることだけ考えていたら2本目のパスは受けられません。ここでメッシからのパスを受けるために開いたり降りたりすれば、ビダルからのパスを受けることはできません。こういった、チームのパス回しの流れをイメージすることが非常に重要です。

これはもっと低い位置でのビルドアップでの局面でも同じです。CBから自分へのパスコースが切られている場合、CBからのパスを受けるためのポジション修正をするのではなく、CB→SB→アンカーと2本目のパスを受けられる位置に移動するのも一つの選択肢です。CBに対して「SBにパスを出せ!」と声をかければ済む話です。この「2本目のパス」をイメージできるか否かはアンカーの技量が問われる部分です。

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④身体の向きの微調整

身体の向きも重要です。ボールを受けてから次の展開につなげるためという意味でもありますが、それと同じくらい「フェイント」としても重要です。身体の向きをほんの少し変えるだけで敵はパスコースを余計に警戒し、スライドの準備や様々な可能性に勝手に思いを巡らせてくれます。身体の向きを90度変えれば敵は3歩も動いてくれるでしょう。きっとパスコースが出来上がります。

また、身体の向きを変えるモーションが小さいと効果的です。身体の向きを変えるのに大きなボールタッチを行うのではなく、極端に言えば足裏を使ってその場にとどまったまま変えるイメージです。パスコースができればすぐにボールをリリースできます。

上のフレンキー・デヨングは足裏を使っておらずかなり動的ですが、身体の向きとパスの向きはほとんど合っていませんね(ブスケツはよく足裏で静的に身体の向きを変えています)。若干イメージと異なりますが、大体こんな感じです。

FIFAの動画しか見つからねぇ・・(笑)。こんな感じで身体の向きとボールの持ち替えだけでパスコースが作れます。

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⑤前線の選手に対しては斜め後ろでサポート

前線のボールホルダーに対して必ず斜め後ろで最も安全なパスコースをつくってあげます。※これに関しては先日分析記事を上げたセビージャのようにアンカーを上げるチームもあります。

ここでボールを受けた際に必ず逆サイドへ展開してしまう人がいますが、これに関しては個人的な意見として好ましくありません。例えば、左でボールを回している中でアンカーが受けた場合、先ほどまでボールを回していた左サイドでは、ボールを回しやすい距離感が出来上がっているはずです。受け直しを行えば崩しやすい環境となるケースも多く、「なるべく左サイドで完結させろ!」が私の意見です。下手にサイドチェンジを行えば、味方の距離感がバラバラになってしまいます。意図のないサイドチェンジは逃げです。バックパスをくれた選手が動き直し、その選手にリターンのパスを送るのも効果的な一手です。

左での崩しが明らかに難しい、もしくは逆サイドが明らかにフリー、敵が左にスライドしきった状態なら当然サイドチェンジが有効ですね。この判断をするのはアンカーの楽しみでもあったり。

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⑥DFラインに降りる?

これはチームによると思います。降りるのであれば、中央が空かないようIHに連動するよう声をかける(もしくはルール化する)等が必要かと思います。降りるのであればどこで数的優位を作るのかを意識する必要があります。

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⑦局所的な数的優位

上の話に関連する部分でもありますが、局所的な数的優位を作るのもアンカーの技術の一つです。

アーセナルで異彩を放つマテオ・ゲンドゥージの魅力と数的優位作成講座
チェルシーの開幕前の戦術浸透度を取り上げた記事【サッリ・チェルシー】軌跡の出発点。開幕前の現状課題の分析でサンプルのひ...

例えば上の記事のゲンドゥージのように2vs1を作り出して前進を図るのは効果的なプレーと言えます。

アタカール・エル・バロンとは?~ジョルジーニョが無数のパスコースを生み出せる理由~
以前、【サッリ・チェルシー】軌跡の出発点。開幕前の現状課題の分析の記事でも触れたように、18-19シーズン、サッリ・チ...

上のジョルジーニョが駆使するアタカール・エル・バロンと呼ばれるプレーも近距離の味方と創り出す優位性の一種であり、パスコース作成のテクニックです。

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⑧引き付けとリリース

ボールが自身に渡った際に、敵を引き付けるためにボールを保持するのか、もしくは素早く捌いて展開するのかの判断は重要です。

この判断の材料は、自分だけでなくチーム全体としてみた時のゴールへの経路イメージです。主観と客観の違いですが、自分をチームのパーツの一部と捉え、ゴールへ到達するまでのパスの経路を俯瞰的にイメージします。そのイメージがあれば、自分が今ボールを持って引き付けるべきなのか、素早く捌くべきなのかを判断できると思います。③「2本目のパス」と同じです。

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⑨カウンター対策

敵陣に押し込んでからは斜め後ろのサポートと、クロス等が弾かれた際のセカンドボールの回収を意識したポジションを取ります。また、味方SBの攻撃参加、敵の攻め残りの状況を把握して危険なエリアを予測し、そのカバーができる必要があります。時としてサイドにカバーリングに出る必要がありますが、中央へ展開されないように中を切って敵を誘導しつつ、ファウルやスローイン等でプレーの流れを断ち切ることができれば十分です。

上のファビーニョは非常に的確なポジショニングをとることができる選手です。

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おわりに

役割はチームによる部分が大きいのですが、とりあえず汎用性の高いポイントをぱっと思いついた分だけ挙げました。

例えば、細かいパスをほとんど繋がすロングボールを前線の長身FWに送り込むサッカーであれば、アンカーはDFラインからのパスを意識するのではなくセカンド回収などのためにFWに近い距離をとった方が効果的でしょう。

アンカーは自分も経験がありますが、中盤の底でチームの舵を取る魅力的なポジションです。中央にいるため様々なプレーに関与する必要があり、ボールのオンオフ問わずにチームにもたらす影響が大きいポジションと言えるでしょう。いろいろなタイプの選手がおり、必ずしも上に挙げた通りでなければならないということもないと思うので、参考程度に意識してもらえればと思います。

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