サッカーのポジション名と役割の一覧|基本知識からマイナーな呼び名まで!細かく解説します

戦術用語解説

どうも、とんとんです。

普段はマニアックな戦術記事をあげていますが、今回はハードルをググっと下げ、初心者の方にも分かりやすいようポジション名、略称、別称、役割を細かく列記して、まとめました。

また、似たような位置に居てもシステムによってポジション名が変わるパターンがありますので、システムの例もいくつか出しつつご紹介します。

数字でのポジション表現、背番号との結びつき、頻出ドイツ語、イタリア語、スペイン語名、さらにはそれほど聞きなじみのないであろう「役割名」まで説明していきます。

初心者の方々はひとまずポジション名を。ある程度知っているよ!の方々は更に細かく、役割名まで覚えられたら良いですね。

※ポジション名・役割は人によって解釈が異なる場合もあるのでご注意ください。

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【初心者向け】サッカーの基本ポジション4つ

まずは一番基本となる、4つのポジションについて解説します。これらをベースに、役割に合わせてポジション名が細分化されていきます。

ゴールキーパー【GK】

役割:ゴールを守る
GKは、チームで唯一手を使ってボールを触ることが許されています。
※ゴール前の、ペナルティエリアと呼ばれる範囲内のみ。

ディフェンダー【DF】

役割:守備
主にゴールキーパーの前で、相手の攻撃を防ぎます。
ゴールの目の前で守備に徹する役割の選手を「センターバック【CB】」と呼び、サイドを守りながら時には攻撃に参加する選手を「サイドバック【SB】」と呼ぶことが多いです。

ミッドフィルダー【MF】

役割:コントロール・守備・攻撃
ディフェンダーの前に位置します。
攻撃時にはパス回しの中心となり攻撃を組み立てます。
守備時には、ディフェンダーと協力してゴールを守ります。

フォワード【FW】

役割:攻撃
ミッドフィルダーのさらに前、チームの最前線に位置します。
一番の役割は、ゴールを決めること。チームの最前線でゴールを意識して行動します。

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フォーメーションについて

サッカーの情報番組や試合中継を見ていると、「4-2-3-1」「4-4-2」等といった言葉を耳にすることがあると思います。

これは、ゴールキーパーを除く3つの基本ポジション(DF・MF・FW)の選手たちをどのように配置するか?を意味しており、これをフォーメーションと呼ばれます。

読み方としては、自分たちのゴールに近いほうから相手のゴール側に向かって、何人ずつ配置するか。という意味になります。

例えば、「4-4-2」であれば、DF4人・MF2人・FW2人のフォーメーションだと読み取ればOKです。
「4-2-3-1」であれば、DF4人・MF(守備寄り)2人・MF(攻撃寄り)3人・FW1人といった感じです。

このフォーメーションが変わると、同じポジションにいる選手でも、呼び名や役割が変わってきます。

ここから先は、代表的な選手の紹介も交えながらポジションについて詳しく解説していきます。

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4-2-3-1パターン

ゴールキーパー(GK)

ただ一人違うユニフォームを着用、「手」を用いてゴールを守ることが許された唯一のポジション。近年ではセービング能力だけでなくパス交換に加わる足元の技術やDFラインの背後をケアする飛び出し等も評価の判断材料となっている。

【 別称
守護神
フットサル:ゴレイロ

【 代表的な選手 】
マヌエル・ノイアー
川島永嗣

ディフェンダー(DF)

ゴールキーパーの手前でゴールを守るポジション。近年では攻撃の起点となるプレーも求められる。

【 別称 】
最終ライン

センターバック(CB)

DFラインの中心に位置してゴールを守るポジション。「大柄でヘディングに強い反面、それほど足の速くない選手」が多くを占めるため、敵のアタッカーについていくだけの「スピード」を持つ選手は評価が高くなる傾向がある。

また守備の能力だけでなく、低い位置からパスで攻撃を組立てる際起点となるための足元の技術が求められるようになりつつある。

【 代表的な選手 】
ファン・ダイク
吉田麻也

サイドバック(SB)

DFラインのサイドに位置してゴールを守る選手。敵のアタッカーを食い止める守備技術や競り合いの強さだけでなくゲームを作るパス能力、オーバーラップに必要なスピードとスタミナ等、チームの戦術によって求められる能力が異なる、近年重要性が増してきたポジション。

近頃話題のサッカーマンガ「アオアシ」の主人公・青井葦人は攻撃的なポジションからこのサイドバックにコンバートされている。

【 別称 】
フルバック
スペイン:ラテラル

【 代表的な選手 】
・守備的タイプ
 リュカ・エルナンデス

・攻撃的タイプ
 マルセロ

・走力タイプ
 長友佑都

・パスで組み立てるタイプ
 キミッヒ
 内田篤人

ミッドフィルダー(MF)

陣形の中心に位置し、攻守のバランス感覚と運動量が求められるポジション

【 別称 】
中盤

セントラルハーフ(CH)

中盤の底が2枚の際の呼称。
(4-2-3-1、4-4-2等。4-3-3(中盤が逆三角形で底が1枚)の際は別の呼称。後述。)

陣形の中心に配置されるため攻守のバランスがとれて、状況を読む判断力があり、視野が広く、スタミナがあり、パス技術に長けた選手が起用される。片方に攻撃的、もう片方に守備的な選手を起用してバランスをとることも多い。日本代表の場合、片方が遠藤保仁や柴崎岳のようにパス能力の長けた選手、もう一方が長谷部誠等のように守備やバランス感覚に長けた選手という役割分担で構成されている。

【 別称 】
ディフェンシブミッドフィルダー(DMF)
守備的ミッドフィルダー
ボランチ
3列目(4-2-3-1等の際)
イタリア:メディアーノ

【 代表的な選手 】
ルカ・モドリッチ
柴崎岳

【 役割 】
・ボックストゥボックス
自陣のペナルティエリアから敵陣ペナルティエリアまで激しく上下動を繰り返すタイプ
代表的な選手:スティーブン・ジェラード

・ホールディングミッドフィルダー
守備を重視したタイプの選手。
イタリア:インコントリスタ
代表的な選手:クロード・マケレレ

・インクルソーレ
イタリア語。襲撃者の意味で積極的に攻撃に参加するタイプ。
代表的な選手:ポール・ポグバ

・ディープライイングプレイメーカー
 (Deep lying playmaker)
中盤低い位置でパス回しの中心となりボールを捌き、攻撃を司る選手。
イタリア:レジスタ
代表的な選手:トニ・クロース・遠藤保仁

・6番と8番
数字で表す役割。6番は守備重視、8番は攻撃重視。4-3-3ではポジション名の別称として用いられる(後述)。

サイドハーフ(SH)

中盤の底が2枚のシステム(4-2-3-1、4-4-2など)でのサイドの選手。
サイドから攻撃を仕掛けるためのドリブル技術やスピード、CHを助ける守備での貢献が求められるポジション。

【 別称 】
サイドアタッカー

【 代表的な選手 】
エデン・アザール
中島翔哉

オフェンシブミッドフィルダー(OMF)

敵陣で攻撃の中心となる選手。花形のポジションであり、最も別称が多いポジション。周囲の選手に点を取らせるアシスト能力、自ら得点するシュート技術、チャンスクリエイトするドリブルや敵の予測を外すプレーが求められる。狭いスペースでボールを操るアジリティや当たり負けしない身体の強さ等、フィジカル面での特徴を押し出す選手も多い。

【 別称 】
アタッキングミッドフィルダー(AMF)
攻撃的ミッドフィルダー
トップ下
10番
司令塔
2列目(4-2-3-1の際、このポジションとサイドハーフの選手を総称して)
シャドー(3-4-2-1等のシステムの2列目の2人)
スペイン:メディアプンタ
ドイツ:ツェーナー(数字の10を指すZehnより)
アルゼンチン:エンガンチェ
イタリア:トレクァルティスタ

【 代表的な選手 】
メスト・エジル
本田圭佑

【役割】
・ニードルプレイヤー
狭いスペースでプレーすることができる、アジリティとボールテクニックに優れたプレイヤー。
代表的な選手:イスコ・香川真司

・「クラシカルな10番」
ピッチ中央に位置して味方がボールを運んでくるのを待ち、パスを受けてからスルーパスやドリブル、シュート等で決定機を演出するタイプ。来たる一瞬に集中するために他のプレーには深く関与しない。「ファンタジスタ」として時代を彩った花形だが、今や絶滅危惧種であるため「クラシカル」という表現が使われる。
代表的な選手:ファン・リケルメ

・セントラルウインガー
ピッチ中央から離れ、サイドに流れる事で攻撃の起点を作る動的なタイプ。詳しくは偽10番の記事を参照。

フォワード(FW)

敵のゴールに最も近い位置で得点を求められるポジション。

【別称】
最前線
トップ

センターフォワード(CF)

敵のゴールに最も近いポジション。得点能力が求められるポジションだが、近年はボールを収めて展開するポストプレーやスペースを作るためのデコイ(囮)の動き、守備の能力も重要視されてきている。比較的大柄なプレイヤーが務めることが多い。

【別称】
9番
ストライカー
ターゲット

【代表的な選手】
ルイス・スアレス
大迫勇也

【役割】
・ポーチャー
パス回しにはほとんど参加せず、ペナルティエリアの中で駆け引きを繰り返し、得点をとる事に特化・集中するタイプのプレイヤー。ワンタッチシュートや駆け引きの技術が必須。近年では非常に少なくなっている。
代表的な選手:フィリッポ・インザーギ、ハビエル・エルナンデス

・ポストプレイヤー
味方からのロングボールや鋭いグランダーのボールを前線で収め、攻撃の起点となる選手。大柄な選手が務めることがほとんどであるが、岡崎慎司のように小柄でもレイオフの技術を駆使して務める選手も存在する。
代表的な選手:レヴァンドフスキ、オリヴィエ・ジルー

セカンドトップ(ST)

CFよりも動的にプレーし、メインターゲットのCFを囮に使ってスペースに侵入したりこぼれ球を拾ったりしてチャンスに顔を出すプレイヤー。大柄なCFに対して、小柄で機動力のあるタイプが起用されることが多い。

【別称】
1.5列目
衛星役(CFの周囲を動き回る様子から)

【代表的な選手】
アントワーヌ・グリーズマン、パウロ・ディバラ

【役割】
・ラウムドイター
広範囲を動き回り、チャンスになりそうなスペースに飛び込む感覚とシュートの技術を駆使して決定機に絡む選手。通常のセカンドトップよりも広範に動く代わりにテクニックはそれほど必要としていない。非常に稀なタイプ。
代表的な選手:トーマス・ミュラー、近年のクリスティアーノ・ロナウド

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5バックパターン

ハルプフェアタイディガー(HV)

ドイツ語。5バックの際の外から2人目の2選手。守備だけでなく攻撃の起点となるビルドアップ能力、サイドをケアするスピード等が求められる。SBが務める事もある。
日本語では右CB、左CBでの表記が一般的。
※当ブログではHalbraum(=ハーフスペース)に位置するVerteidiger(DF)であるHalbverteidigerがニュアンス的にしっくりくるので「HV」表記を採用しています。

【代表的な選手】
ニクラス・ズーレ

ウイングバック(WB)

5バックの際の大外の2選手。サイドバックよりも攻撃的な振る舞いを求められる。本職サイドバックの選手が務めることが多いが、サイドハーフの選手が務めるケースもある。

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4-3-3パターン

アンカー

中盤が逆三角形を構成する場合の、底となる選手。機動力はそれほど求められないが、的確なポジショニング、安定した守備能力、パスの技術、広い視野とターンの技術が求められる。守備に重きを置いた選手(ホールディングタイプ)かパス能力に長けた選手(ディープライイングプレイメーカー)を置くことがほとんどであるが、どちらを採用するかはチームの戦術次第である。

【別称】
6番
スペイン:ピボーテ(2CHの際も使用)
ドイツ:ゼクサー(数字の6を指すsechsより。)

【代表的な選手】
セルヒオ・ブスケツ
ジョルジーニョ

インサイドハーフ(IH)

中盤が逆三角形を構成する場合の、上の2頂点に入る選手。ドリブラー、パサー、守備型、運動量型等、様々なタイプの選手が配置される。ここに位置する選手の特徴によってチームとしての色も変わってくる。基本的には攻撃的な振る舞いが求められる。

【別称】
8番
スペイン:インテリオール
イタリア:メッザーラ
ドイツ:アハター(数字の8を指すachtより。)

【代表的な選手】
ダビド・シルバ
アンドレス・イニエスタ

ウイング(WG)

3トップを構成する際の両サイドの選手。
サイドから攻撃を仕掛けるためのドリブル技術、敵の裏をとるためのスピード、得点に直接関わるシュート技術が求められる。

※サイドハーフとの違い
・サイドハーフ=中盤の底が2人の場合(4-2-3-1等)。守備のタスクがウイングより重い。
・ウイング=中盤が逆三角形のシステム(4-3-3等)の場合。守備のタスクがサイドハーフより比較的軽い。
システムと守備時のポジションの高さ・貢献度で使い分ける。

【役割】
逆足/順足アタッカー
左サイドを担当する選手が左利きの場合順足、右利きの場合逆足。
順足の場合、縦に突破してから利き足でクロスをあげられるが、カットインからシュートを撃つ場合は逆足となってしまう。
逆足の場合、縦に突破してからのクロスは利き足とは反対の足となってしまうが、カットインからのシュートは利き足で撃つことができる。
どちらが望ましいかは、チームの戦術による。

【別称】
スペイン:エストレーモ

【代表的な選手】
ネイマール
モハメド・サラー

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False(偽○○)シリーズ

偽サイドバック

通常時はサイドバックの位置に入るが、ビルドアップ局面でタイミングを見てアンカーの脇に入る選手。
詳しくは偽サイドバックの記事を参照ください。

【代表的な選手】
ダビド・アラバ

偽9番

通常時はCFの位置に入るが、中盤まで下がることで敵に「CBと中盤の選手どちらがマークにつく?」という迷いを生じさせ、敵のマークの所在を曖昧にするポジションをとる選手。

【代表的な選手】
リオネル・メッシ

偽10番

通常時は10番(トップ下)の位置に入るが、サイドに流れることで敵のマークの所在を曖昧にするポジションをとる選手。流れるのがIH(8番)の選手の場合もこの呼称が用いられる。
セントラルウインガーとも呼ばれる。詳しくは偽10番の記事を参照ください。

【代表的な選手】
メスト・エジル

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おわりに

ポジション名は別称が非常に多く、解釈も人によって違う部分がありますので注意が必要です。
とはいえ、この記事内に出てくるワードと解釈で覚えればまず困ることは無いはずです。
役割に関しては、サッカーをするうえで知らないと困るものではありません。ただ、チーム内で共通理解をするうえで用いれば役に立つこともあるので、参考までに。

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コメント

  1. […] 【これだけ覚えればOK!】サッカーの「ポジション名」と「役割」まとめ […]

  2. […] 音楽業界に生息してそうなロン毛が特徴的なオールラウンダー。主なプレーエリアは→サイドバックだが、レノファでは3CBの脇(Halbverteidiger、略してHVともいう)や2CBの片割れも務めた。中盤でのプレー経験もあるとのことなので、まさしくユーティリティといえる。欠員が出てきた時の往時の合言葉、「とりあえず兵藤」の後継として「とりあえず前ちゃん」が炸裂する可能性はある。 […]

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