【劇的勝利の得点源】アロンソ・レヴァークーゼンのコーナーキック戦術

戦術分析

23-24シーズンを無敗で過ごしたアロンソ率いるレヴァークーゼン。彼らの無敗記録は何度も途絶える気配を見せていた。

しかし彼らは試合終了ギリギリ、アディショナルタイムでの劇的ゴールで何度も「負け」を「引き分け」に、「引き分け」を「勝利」に結びつけていった。そんなレヴァークーゼンの重要な得点源が「コーナーキック」である。

今回は彼らの劇的ゴールの得点源であるコーナーキック戦術について、得点に繋がったシーンを中心に多数のパターンを見ていく。

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レヴァークーゼン高身長ランキング

コーナーキックの前に各選手の身長について。
長身順に並べると以下の通りとなる。(GKを除く)

1位:ター(CB) 195cm
2位:タプソバ(HV)194cm
3位:コスヌ(HV)191cm
   シック(CF)
5位:ボニフェイス(CF)190cm
6位:フロジェク(CF)188cm
7位:スタニシッチ(WB)187cm
   アンドリッヒ(CH)
   イグレシアス(CF)
10位:シャカ(CH)186cm
11位:ヒンカピエ(HV)184cm
12位:ヴィルツ(シャドー)177cm
   パラシオス(CH)
14位:ホフマン(シャドー)176cm
15位:アドリ(シャドー)174cm
16位:テッラ(シャドー)173cm
17位:フリンポン(WB)172cm
18位:グリマルド(WB)171cm

最も長身で空中戦に強いターが最大のターゲットとなる。
キッカーはヴィルツ、ホフマン、グリマルドが担い、必ずインスイングとなるように分担されている。
ヒンカピエやアドリは飛び抜けて長身というわけでもないが、空中戦に強さを見せる。

ちなみにGKのコヴァールがチーム最高の196cm、同じくGKのフラデツキーは192cmである。

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レヴァークーゼンのコーナーキック概要

レヴァークーゼンのコーナーキック戦術の特徴として以下の点が挙げられる。

  • ファー、ニア、ショートとそれぞれパターンを持つ。圧倒的に得点に繋がるケースが多いのはファー。
  • ニアの場合は人数をかける。ファーの場合はスペースを作る。
  • 相手の前残り人数とスコア、時間帯に応じてゴール前の人数を調整。通常はゴール前に5枚、ビハインドなら増員。
  • キッカーは必ずインスイングになるように分担。グリマルド(レフティ)、ホフマン、ヴィルツ。グリマルドは世界屈指のキック精度の持ち主。
  • 最大のターゲットとなるターは必ずファーサイドに位置。
  • 2番目に長身のタプソバはスクリーンの壁役となることが多い。
  • スクリーンプレーを多用。
  • 縦並びでマークをずらす。
  • GKに対して妨害をかける。多くの場合はヴィルツ。
  • シーズン終盤になるほどスクリーンを用いないシンプルなものにシフト。

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ファーサイド

ここからは実例を見ていく。

第1節vsRBライプツィヒ
状況:前半33分 1-0

タプソバとコスヌでゴール前の敵選手4枚をブロック。(RBLはゾーンではない)
ブロックによって敵4選手が前に出られずに空いたスペースで、後続の3枚がニア、中央、ファーに散りターゲットとなる。
ファーに抜けるターが相手選手を腕で押して飛べなくさせ、頭でゴール。

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↑動画15秒から

第11節vsウニオン・ベルリン
状況:後半11分 1-0

ヴィルツがGKの前で妨害をかけて飛び出しにくくする。相手はGKからヴィルツを離すよう1枚が対応。
ニアでボニフェイスのブロックでヒンカピエが抜け出し。中央の選手を引き付ける。
ファーではコスヌのブロックでターが大外を回る。ブロック相手がターの方に向かったため、フリーとなったコスヌがゴール。

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↑動画30秒から

第11節vsウニオン・ベルリン(2)
状況:後半27分 2-0

ヴィルツがGKの前で妨害をかけ出にくくする。相手は1枚が対応。
ニアでボニフェイスのブロックでヒンカピエが抜け出し。
コスヌも中央に入り込み相手を引き付けファーを空ける。
ファーで敵と1vs1となったターが押し込み得点。

第17節vsアウクスブルク
状況:前半36分 0-0

スタニシッチとシックがニアに動き相手を引き連れ、フロジェクがGKに妨害をかけて飛び出しにくくする。
ファーでスタニシッチがブロックをかけ大外をアンドリッヒが回り込みヘディング。完全にフリーになるもやや角度が厳しく、GKに弾かれる。

第18節vsライプツィヒ
状況:後半17分 1-2

シックとスタニシッチがニアに流れて敵を釣り出す。
ファーサイドへのボールに対してスタニシッチがDFをブロックしスペースメイク。ヴィルツがGKにブロックをかけてファーへの移動を遅らせる。
ファーでターがシンプルに空中戦に勝利し得点。

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↑50秒から

第18節vsライプツィヒ(2)
状況:後半90分+1 2-2

スタニシッチ、シック、アンドリッヒがニアに駆け込み相手を引き付ける。
大外にターが入り込み相手を釣り出し、その内側にヒンカピエが入り込み得点。

第21節vsバイエルン・ミュンヘン
状況:前半22分 1-0

スタニシッチがファーからニアに横断。ヒンカピエとアドリが中央からニア寄りに抜け、タプソバがファーで相手をブロック。空いたファーでターがヘディング。GKに弾かれる。

EL準決勝vsローマ
状況:後半5分 1-0

外を回るヒンカピエがターゲット。マーカーはターがブロック。
ゴール前でゾーンを組む選手はアドリとタプソバでブロックしスペースを作り出す。
フリーでのシュートとなったが、ゴールの上へ逸れていった。

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ファーサイド(折り返し)

EL準々決勝vsウエストハム
状況:後半38分 0-0


ヴィルツがGKを妨害。その他は大きな動きなし。
ターの折り返しを待っていたボニフェイスがシュートを打つも弾かれ、セカンドをホフマンが押し込んだ。相手のほとんどがゴールエリアに入ったため、セカンドを拾いやすい環境であった。

第27節vsホッフェンハイム
状況:後半42分 0-1

ショートコーナーからヴィルツが逆サイド大外へ。ターの折り返しをアンドリッヒがボレーで得点。アドリとスタニシッチの縦関係でマークがずれ、遅れて入ったアンドリッヒがフリーに。

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ニアサイド

第14節vsシュツットガルト
状況:後半41分 1-1

ニアでコスヌのブロックでヒンカピエが抜け出し。
コスヌも含め4人がニアに飛び込む混戦。こぼれ球をターがボレーで合わせるも僅かに枠を逸れる。

第30節vsドルトムント
状況:後半45分+6 0-1

アンドリッヒとシックがニアに抜け出し、ほぼ全員がゴール前に。
ボニフェイスはタプソバの背後から入り込む。
ファーから横断してマークを外したスタニシッチがニアで合わせてゴール。

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ショートコーナー

第7節vsケルン
状況:前半34分 2-0

ゾーンでゴール前に4枚、後続3枚に対しては2人をつけるケルン。
ターがボニフェイスを壁にして大外を回る。
ショートコーナーからグリマルドが直接ゴールを狙う。(あわよくばゴール前の選手が押し込めるボール)
ポストに当たりノーゴール。

第10節vsホッフェンハイム
状況:前半45分+1 1-0

ニアを空けるために全選手が相手選手をブロック。コスヌは腕を使って2人を足止め。
ニアに立つヴィルツはシュートコースを空けるためにボールに寄るように駆け出して相手選手をニアポストから釣り出す。
ホフマンのグラウンダーのボールにダイレクトで合わせたグリマルドがネットを揺らす。

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EL準決勝vsウエストハム
状況:後半45分+1 1-0


ショートコーナー。タプソバとボニフェイスがファーで縦並び。大外でターが待ち構え1人釣り出し、縦並びの後ろに位置したボニフェイスがフリーになり得点。ヒンカピエは縦並びの2人を壁に中央に抜ける。
マークにつかれなければヒンカピエがニアに抜けてホフマンからボールを受ける動きも。

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おわりに

レヴァークーゼンはコーナーキックにおいても多彩なパターンを保持している。
4局面における準備だけでなく、セットプレーにもこれだけ準備を施しているという点にも、無敗の秘訣が隠されている。
長身の選手を揃えるだけでなく、スクリーンをかけることで得点につながる可能性を高めているのがわかる。
また、被カウンターにおけるリスク管理も周到だ。状況に応じてゴール前の人数を調整し、勝つために必要なプレーを選択している。

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