アンチェロッティ・ナポリの4-4-2攻撃戦術の分析@サッカーキング

雑記

カルロ・アンチェロッティ率いるナポリがセリエAで苦しんでいる。CLでは前回王者リバプール相手に勝利をあげたものの、リーグ戦では勝ちきれない試合が続き、首位との差は大きく開いてしまった。

順位表を見ると振るわないものの、内容に目を向けると前線の選手が柔軟にポジションチェンジを繰り返してアクションを起こす、魅力的なカルチョが繰り広げられている。前線のカルテットが「裏抜け」と「降りる動き」を繰り返す、攻撃の連続性は一見の価値がある。キーワードは「釣瓶(つるべ)の動き」と「攻撃のサイクル化」だ。

今回はサッカーキング1月号「鳥の眼Extra」第3回ナポリ編より一部抜粋、本誌で書ききれなかった分とサンプル動画を付けて紹介します。
詳細はぜひ本誌をご覧ください!!

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釣瓶の動き

ナポリがスペースメイクを行う上でベースとなる動きが「釣瓶(つるべ)の動き」だ。「釣瓶」は、サッカー経験者にとっては聞き馴染みのあるワードであろう。縄の先に桶を括り付け、井戸水を汲む際に用いる器具のことだ。正反対の動きをする際の例えとして用いられる。左が下がると右が上がる「天秤」をイメージすると分かりやすい。

最もシンプルな形が上の例だ。インシーニェの動きに合わせてメルテンスが外に流れ、内側に入ったインシーニェが入れ替わりPAに侵入していく形は非常に多い。

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攻撃のサイクル化

裏に抜ける一方通行の動きだけでなく、釣瓶の動きと降りる動きを的確に攻撃に組み込むことでサイクル化を図る。

サイドチェンジから複数人で斜めに抜け出しを図るプレーは昨季CLベスト4進出を果たしたアヤックスに似た部分でもある。

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3バック化に伴うSHのWB化

ナポリのもうひとつの攻撃の特徴が3バック化してのビルドアップだ。SBを1枚上げて行う、マンチェスター・シティも持つビルドアップパターンだ。彼ら同様、ナポリもSHの選手がWB化する。その際の特徴的な点として、ナポリは2トップがボールサイドへ寄り、逆SHも中央に絞ってくる。

具体的には2トップの一角がSBの背後を狙う。これを警戒するCBがラインを下げると、もう一方のFWがライン間に入る。ライン間の選手にボールが入ると、連動して逆SHがレイオフを受けられるポジションをとる。絞る逆SHに敵SBがついてくると、大外をナポリの左SBが駆け上がる。これがナポリの3バック化のシナリオだ。背後を突ける選手、ライン間で仕事ができる選手が多いナポリだからこそ実現できる攻撃となっている。

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実例

CL第1節ザルツブルク戦

CL第2節リバプール戦

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おわりに

ナポリの攻撃は非常に「動的」なものです。スペースを創り・突くダイナミックな攻撃は観る側を魅了する面白さを備えています。しかし、この攻撃には問題点もあり、チームに「取りこぼし」という事態を招いてしまっています。取りこぼしはリーグ戦を戦う上で非常にシビアな問題です。これをいかに改善していくか。アンチェロッティの采配と、それをピッチ上で実行する選手たちによる巻き返しに目が離せません。

繰り返しとなりますが、ナポリの攻撃戦術メカニズムの詳細はぜひサッカーキング1月号をご覧ください!

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コメント

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